秋はポートレートのための季節

秋の時間……。それは自分自身の写真と向き合うべき季節なのだ。秋の空気も匂いも光も僕のポートレート写真には味方になってくれる。そして新たな課題を見せてくれる。

日本には四季がある。だからこそ、その季節ごとの空気感を楽しみたい。屋外で撮影するポートレート撮影の醍醐味はそこにあると言っても過言ではないだろう。秋なら「秋らしい」空気感の中、被写体の魅力を存分に引き出せる写真が撮りたいものだ。

富士フイルムX-Pro2

 今回モデルを快く引き受けてくれた川澄そらさんはとてもクールなファーストインパクトだった。そこから大きくそのイメージは崩れていく。もちろんいい意味でだ。少し打ち解けてからは、素敵な笑顔と独特のトーンで話をしてくれる。落ち着いた雰囲気の中にも、女性らしい色気をとても感じる女性だ。そういう女性に会うと僕は必ず「フォトジェニック」なモデルだと感じる。そらさんも漏れずにそう感じた。彼女は、自分がこの空間で何ができるのか、そんなことを無意識に考えながら、撮影に応じてくれている。撮影している僕はその意志のさらに上をいく写真が撮りたいと思わせるほどに……。

 すでに撮影を行った11月だと今回の撮影地だった群馬県の気温は2℃程度だ。それでもカメラを向けている間、彼女は寒い素振りを見せることなく、凛とカメラに立ち向かってくれた。そんな過酷な撮影だったとしても、秋と冬の撮影はとてもいい。写真に必要なすべての「要素」に緊張感がある。そらさんの写真にはそんなちょっとした緊張感がスパイスのように混じっている気がするのだ。秋の匂いにはミステリアスな女性がよく似合う。

これからのそらさんの活躍が楽しみだ。






モデルプロフィール
川澄そら かわすみ・そら

女性らしさのすべての要素をしっかりと持っている不思議な魅力がある川澄そらさん。シリアスな表情から無邪気な子供のような表情までとても表現力のある女性。
プロフィールはこちら